◆ルーキーシリーズ第19戦(20日・ボートレース徳山・初日)
藤森陸斗(26)=福岡=が悔しさと照れくささを交えたような苦笑いで「またこの位置(級別勝負駆け)ですよ」とこぼした。それもそのはず、今期序盤は飛び級でA1昇格も狙える好調度だったにも関わらず、徐々に低下。前節のからつでは「誰にも勝てる気がしなかった」と3連対もなかった上に途中帰郷と、リズムはガタガタに崩れてしまっている。
前検時点での勝率は5・36。5・45辺りで推移しているA2ボーダーに届いていない状況だが、「節間で6・50ぐらい取れば余裕ができるはずなんです」と十分に可能な範囲での勝負駆けだ。
「あの優勝は自信になった」と昨年末に前付けを乗り越えて逃げて初V。優勝戦1号艇のプレッシャーを乗り越える強心臓を発揮した。ただ長所と短所は表裏一体。「いい時は勢いに乗れるけど、特に低調機を引いた時に何もできなくなってしまう」と、課題も同じくメンタル面にある。
まだ課題克服には至っていないが、今節は低調機が多い中で2連対率53%の好素性機を手にしているのでその心配はいらない。初戦は「道中が難しくて失敗してしまいました」と4着だったが、6号艇だということを考えれば悪くない結果。さらに後半7Rはまくって1着で「やっぱりエンジンはいい」と、実戦で手応えもつかんでいる。「初戦でSをいけたのも大きい。エンジンもいいので頑張ります」とあらためて鉢巻きを締め直した。レーサー人生を考えても勝負駆けはあくまで通過地点、優勝を目指して奮闘する。(井上 泰宏)