得意のびわこで今年2度目の優勝を飾った豊田
得意のびわこで今年2度目の優勝を飾った豊田

 ボートレースびわこのG3「つるやパン提供 第10回みんな大好き!サラダパン賞」の優勝戦は最終日の19日、第12Rで行われ、豊田健士郎(29)=三重・115期=がトップスタートのイン逃げを決めてV。優勝賞金225万円を獲得した。2コース差しの渡辺和将が2着。3着は2Mで浮上した服部幸男だった。

 琵琶湖航走船の引き波がボート水面に進入し、ピットアウトを待たされようと、服部が進入で動いてチルト1度の太田が単騎ガマシになろうと、豊田の心には、さざ波も生じなかった。「進入は、そんなに思っていなくて、スタートを入れることだけを考えていました。10くらいかな」と淡々と振り返ったが、コンマ11はほぼドンピシャ。実力者が集中すると、その感覚は人間離れしていくようだ。

 当地は昨年6月のG3イースタンヤング以来の優勝。その前回もイン逃げだったが、すんなりとは勝てなかった。「同期の関(浩哉)にあおられながらでした。今回は一人で気持ちよく走れてよかった」と笑う一方、関の名前をあえて口にしたのは、豊田の心に引っかかるトゲと無縁ではなさそうだ。

 「(地元・津の)ダービーに出られなかったのが悔しい。実力が足りていないからでしょう。1走1走、しっかり実力をつけていきたい」と、来月からの記念あっせんを見据えた。関はダービーに出場する。この日の極限の集中力は、雪辱への強い気持ちが生み出したか。その気持ちを持ち続ける限り、豊田がSGを主戦場にする日はそう遠くはないだろう。