
小学生の頃から空手を学んできた中村紋夕梨(あゆり、22)=愛知・134期=は、学生時代にはインターハイにも出場するなど活躍してきた。運動が好きで「スポーツで食っていく」と、戦いの場を水面に移しても奮闘している。昨年の5月に蒲郡でデビューした。師匠・北野輝季の教えを守り、一日でも早い水神祭を目指している。
―ボートレーサーを目指したのは、家族からの何げないきっかけがあったからだ。
「とこなめレース場の近くに実家があって時々、見に行ってました。両親から『やってみたら』と言われたのもありました。小さい頃から空手を習っていて、(同じように)男女関係なく戦えることや、勝つことも魅力的でした。運動することが好きなのでスポーツはやって行きたいと思っていました」
―レーサーになるためには、養成所でプロになる訓練を受けないといけない。
「3回目の受験で受かりました。空手はいったんやめていたのですが、受験のためにもう一度、道場に通っていました。体幹が鍛えられたと思います。数学とか勉強も頑張りました。養成所では体力的には、どうにかついて行けたのですがメンタル的に厳しかったですね。でも、同期がいたので一緒に頑張ってこれました」
―愛知支部の北野輝季に師事した。意外なところで師匠とは縁があった。
「一番最初に知った選手が北野さんでした。地元が一緒で母から『ここら辺に住んでいるらしいよ』と教えられていました。養成所を卒業して、デビューする前に師匠になってもらいました。オンとオフがしっかりされています。切り替えがちゃんとできる所やボートに対する姿勢は学ばせてもらってます。師匠からは『基本姿勢』を指摘されています」
―24年5月25日に蒲郡でデビューした。まだ、白星は手にしてないが、着実にレベルアップはしている。
「水神祭をしたいというのはもちろんありますが、それよりも2着、3着をたくさん取れる選手になりたいです。(9月23日多摩川1Rでは)3着でしたが、1Mを回ったら2等が見えていたのでキープしたかったです。やはり、ターンスピードを上げたり、展開を読んだりと、まだまだだと思っています。結局、戻りますが、着順を守るためには基本姿勢が大事になってくるのが分かります」
―スポーツは空手だけではない。中学、高校と陸上で汗を流していた。
「短距離を走っていました。地区大会ではいい所までは行けましたが、県大会では強い選手がたくさんいたので…。800メートルも走ったこともありましたが、最後は本当につらくて、根性ですよね。やはり長距離は、駆け引きとかもありますし、すごいですね。世界陸上も国立に観に行きたかったです。テレビなどで楽しんでいました。男子100メートルとか、リレーの男子4×100メートルは感動しました」
―プロとして2年目のシーズンに入った。9月末の多摩川一般戦ではレース後に試運転を精力的に行っていた。
「将来的にはA級の選手になって活躍したいです。スピードクイーンに出たいですね。ファンの皆様に早く1勝を届けられるように頑張りますし、安心して見てもらえるように努力しますので、応援よろしくお願いします」
◆中村 紋夕梨(なかむら・あゆり)2003年7月19日生まれの22歳。愛知県出身。134期の愛知支部として24年5月25日に蒲郡でデビューした。特技は小学校から始めた空手で3段の腕前。学生時代に全国優勝、インターハイ出場の実績も。好きな食べ物はじゃがバター、マヨネーズ。身長153センチ、体重46キロ。