◆SG第61回ボートレースクラシック(27日・ボートレース蒲郡・4日目)
猛烈な勢いで腕が冴えすぎて、あまりに進化が速すぎて、そのペースに周囲が、そして本人ですら追いついていけない。2026年。末永和也が業界のてっぺん目指して、力強い足取りで一気に駆け上がろうとしている。
4日間の予選ラウンドが終了したが、今シリーズのメインアクターは末永が担い続けている。初日12Rは、全国の名だたる超スターたちを向こうに回して、栄えある1号艇配置の大役を任され、そしてその多大なる期待に堂々と応えてみせた。
「SGで初めてのドリーム1号艇は、本当にものすごいプレッシャーがありました。何とかでしたが、結果を出すこともできました。ゴールした後は、すご~くホッとしましたが、あれを早い時期に経験することができたことは、本当に大きいと思います。もちろん、今後のための収穫になりましたね」
2019年にデビューして、わずか7年目でダービーの称号を奪った。その瞬間から周囲の末永を見つめる目は大きく、大きく変わっていった。「本当にそう思います。ダービーを勝った後は、ファンのみなさんからすごい歓声を頂くようになりました。周りから期待していると言ってもらえるようになったし、本当にうれしいですよね」
初のSG制覇は昨年10月だった。あれからまだ半年も時は流れていない。日持ちの良い食品なら、賞味期限に達しない程度の時間しか経過していない。
しかし、その短いスパンでなお末永は果てしなく上昇機運を描き続け、どこまでも、どこまでも高く舞い上がっている。取り巻く環境も変わった。置かれる立場も変わった。
その劇的なる変化に彼の気持ちはしっかりと付いていくことができているのであろうか。末永は包み隠すことなく、心の声を語った。
「正直なところ、そのペースに心は追いつけていないですね。結果の方がどんどん先に行っている感じです。でも、そんな状況でも成績は出せている。今は本当に流れがいいんだと思っています。獲れるものは獲れるうちに狙っていこうと思いながら走っています」
伸び盛りの少年の身長が急激に高くなっていく時に覚える『成長痛』のような違和感はある。それでも末永の発展はとどまることを知らない。レースを終えた後、プレッシャーと疲弊を受けた自身の気持ちは、どのように鎮めていっているのだろうか。
「自分は物欲がないんですよね。でも、去年はたくさん稼ぐことができたので、何か買っちゃおうと思い、ゲーミングPCを手に入れました。休みの日に家でゲームをやっていると気づいたら朝になっちゃっているみたいな(苦笑)。それがリラックス法かなあ。温泉とかにも行ってみたいんですけれどね」
さあ、SG連続イヤー制覇へ。2026年の戦いは、いよいよ始まった。「今年もまたSGを勝ちたい。毎回SGを走るたびに、そこを目指してやって行きます!」
もはや一瞬の輝きなんかじゃない。今、末永く君臨するチャンピオンがボートレース界に誕生しようとしている。その名は末永和也。永代王となるべく大事な一年をかく戦う。(淡路 哲雄)