◆SG第72回ボートレースダービー(26日・ボートレース津・最終日)
優勝戦は第12Rで行われた。1号艇の末永和也(26)=佐賀=が逃げ切って悲願のSG初制覇を果たした。優勝賞金4200万(副賞を含む)を獲得するとともに、グランプリ初出場も当確にした。2着は茅原悠紀、3着には桐生順平が入った。
末永和也、26歳。夢に見た瞬間を、ついに現実に変えた。SG初制覇―。5歳の頃に見上げた頂に、確かに立った。「ここまで来れるとは自分でも思っていなかったです。こんなにもできるんだと思いました」。積み重ねた努力を結実させた。
優勝戦は6号艇の赤岩が前付けに動いたが、全員が抵抗し、オールスローの枠なりになった。「スタート展示とは違う起こし位置で、本番は全然分からない所から起こしたけど、分からない所から行ってもあれだけ(コンマ13)決まるってことは、今節運が良かったんだと思います。(足も)結局分からないままで行きました。でも、やっぱり出足は良かったと思います」。確信が得られないまま迎えたが、「プレッシャーと不安」を全てはねのけて、インから軽快に逃げ切った。
ゴールの瞬間、ボートレース津のスタンドを揺らした大歓声。「お客さんがめちゃくちゃ喜んでくれたので、ちょっとずつ実感が湧いてきました。うれしくてガッツポーズをしちゃいました(笑い)」と、普段は温厚な末永だが、ここぞとばかりに喜びを爆発させた。ゴール後には佐賀勢みんなが出迎えた。一番感謝している師匠の上野には「やったな! 良かったな」と祝福された。
この優勝で賞金ランクは4位まで浮上した。「またここまで(賞金4位)来れるかも分からないので、ここまで来たらグランプリも(トライアル)2ndから行けると思うし、この後の記念やチャレンジカップでも上積みできるように頑張りたいです」。謙虚な言葉の奥に沸々と燃える闘志。若き王者・末永和也。5歳からの夢をかなえた男の物語は、ここからまだまだ続いていく。