自身2度目のGⅠ制覇を達成し、振興会会長賞メダルを手に笑顔の菅
自身2度目のGⅠ制覇を達成し、振興会会長賞メダルを手に笑顔の菅

◆GⅠウェイキーカップ開設71周年記念(4日・ボートレース多摩川・最終日)

 12Rで優勝戦が行われ、2号艇の菅章哉(37)=徳島・105期=が6コースからまくり、大会初、GⅠは2度目、通算35度目の優勝を飾り、優勝賞金1200万円を獲得した。2着に大池佑来、3着に永井彪也と地元・東京勢が続いた。節間の総売り上げは75億1182万5100円で、目標の68億円を大きく上回った。

 漆黒のスーパー弾丸が大外からぶっ放たれたあ~。菅は有利な内目のコースを走れる黒い勝負服のメリットには目もくれず、「このスタイルでタイトルを獲るのが夢だった」という大望を完全成就すべく、思い切り一番アウトに進路を取った。

 そして、獲った。2025年ウェイキーカップを菅章哉がまくり切って、突き抜けた。チルト3度が生み出すえげつない伸び足でライバル5艇をゴックンと丸飲みした。

 「優勝するなら6コース!そう覚悟を決めて、迷いを捨てて、あとは行くだけ!と思っていました。少しでも前に出ればまくれると信じていました。思い入れあるコース、セッティングで勝つことができて本当にうれしいです。師匠(近藤稔也)、そしてここ多摩川で(チルト)3度のアドバイスを頂いた三井所尊春さん(22年引退)に報告したいです。三井所さんが勝ったこのレース(17年)をいつか自分も同じスタイルで優勝したいと思っていたので…(感慨深そうに)」

 この快走で年間賞金ランクも、チルトと同じようにどこまでも跳ねた。グランプリ出場エリアの13位まで鋭伸した。「今年は特にグランプリに出ることを例年以上に意識して走り続けて来ました。もう、本当にシビアでしんどいです。去年までの自分は甘かったですね。まだ確定は出ないのかあ。はあ~(苦笑)」

 誰とも違う特異な走りはファンの心をも動かす。表彰式は盛り上がりに盛り上がった。主役だけじゃない。スターだけじゃない。強烈な個性派の存在が、競技にさらに彩りと輝きを与えている。Mr.3度さん、貴殿は最高のエンターテイナーです。(淡路 哲雄)