気合のイン速攻で勝負駆けに持ち込んだ上原
気合のイン速攻で勝負駆けに持ち込んだ上原

◆ルーキーシリーズ第17戦 スカパー!・JLC杯(4日・ボートレースびわこ・3日目)

 上原崚(30)=東京=は、足は威張れなくても、もはや簡単には崩れない実力をつけてきた。レーシングパンツには東証プライムに上場したばかりのオリオンビールのロゴ。ヘルメットには沖縄本島と守り神シーサーのデザイン。6着3本と追い込まれ「行き足や伸びは普通の感じ。上はいますね」という状況でも3日目8Rはトップスタート。古里・沖縄の誇りも背負いながらの気合逃げで、予選最終日の1走勝負に持ち込んだ。

 コンマ11の完璧な仕掛けをもたらしたのは青色の手帳だ。名門・興南高野球部の出身だが「メモを取るようになったのはボートレーサーになってから。内容はほとんどスタートですね」と明かした。書き込む情報は本番スタート時の気象条件など。頭の中の情報を文字化することで、理解がより深まる感覚があるという。「これで自分のスタートは格段によくなりました」。その成果が、今夏の当地ボートレース甲子園でのG2初出場だ。

 今節も手帳に丹念に書き込んでいる。「リングがなじんできたのもあるし、チルトは0よりマイナスの方が、回り足が良くて、起こしにも安定感がある」と足も上向きの兆し。これなら持ち味のスタート勝負で何とかなりそうだ。