優勝戦1号艇を手にした永井
優勝戦1号艇を手にした永井

◆G1ウェイキーカップ開設71周年記念(3日・ボートレース多摩川・5日目)

 準優勝戦3番勝負は、いずれのレースも地元東京ユニットがシェアを完全独占した。

 しかし、11Rでは精神的支柱の浜野谷憲吾が大外から菅章哉のチルト3度パワーに屈して5着。

 12Rでも得点率トップ通過を果たした長田頼宗が1Mを先制し切れず、あえなく3着に敗退した。

 トーキョースーパーイントリオの牙城は、10Rの永井彪也が何とか守った。抜群に仕上がり、うなりにうなる75号機を強力な味方に付けて、悠々と逃げ切った。

 「もう、全体的にバランスが取れていて、バツグンにいいですね!自信を持って行けましたよ!」とエンジンと同等以上に整い切った表情を大きく崩して、優勝戦進出を喜んだ。

 ピット内では、孤独に黙々と作業と自身に向き合い、気合を高めている選手は少なくない。

 しかし、永井は違う。朗らかなスマイルを浮かべながら、世代や地区を問わず、多くのライバルたちと交流を重ねながら、リラックスと緊張感を絶妙に織り交ぜて過ごしている。

 そう、目、鼻、口がモデルレベルに配列されたルックスだけでなく、これが性格もまたいいんですよ。

 本人が言う。「周りに言われちゃうほど、学生時代から女子にモテたという記憶はないんです。むしろ、男同士の友達から格好いいねとか言われることの方が全然多かったかも。男子の方が人気あったかも(苦笑)」

 選手だけでなく、取り囲むマスコミや記者対応にも、神レベル対応で受け答えして、関係者からの評判もA1級です。

 顔よし、性格よし。さらに今シリーズはエンジンも極めて男前過ぎる。

 「加速感があり過ぎるので、逆にスタートは慎重になっちゃうほどですからね。まさに、エース機!って感じです。だからこそ、今回は優勝戦を楽しみたし、勝ちたいなあ。って、このエンジンで勝てなければ、誰が勝つんだというレベルです。今回はまだ一度も12Rを走っていないことがちょっと気になるといえばなりますが、とは言ってもこれまでに多摩川の12Rを何度走っているんだという話ですね(笑)」

 顔、性格、エンジン、すべてオール超抜。さらに加えれば、永井はいつもいい香りがする。今度、使用しているコロンを聞きたいぐらいです。

 それにしても、ここまで全部が揃いも揃う人間って世の中にはいるもんですね。あまりに不公平過ぎて、神さまにクレームを入れる気にすらなりませ~ん。

 エースモーターを手に栄冠を握りしめて、さあ、多くのヒョーヤ推しが待ち構える表彰式へさっそうとご登場してください。

 V達成の甘い香りしか、今の永井から漂ってきません。(淡路 哲雄)