◇素顔のクイーン
石村日奈那(24)=東京・135期=は今年1月、2024年11月のデビューから1年2か月で待望の初1着をゲット。デビュー前は一般の大学生だったが、就活で迷ったタイミングでボートレースと出会って一目ぼれ。ファンへの感謝も忘れず、水面で奮闘している東京支部期待のヤング女子レーサーだ。(構成・三池 和輝)
今年1月11日、地元の多摩川でデビュー初1着。6コースからコンマ09のトップスタートを決めると一気呵成(かせい)に内をたたき切っての豪快な白星だった。
「まさか勝てるとは思いませんでした。上を行こうと決めていましたけど、まさか一番先に回れるとは…。自分が先頭でターンマークを回ったので、そこからはとにかくターンマークを外さないように、転ばないように、走っていましたね。アドバイスをくれた先輩方や、家族の応援、ファンのみなさまの応援や後押しに感謝の気持ちがすごくわき上がってきました。その辺の気持ちを感じながら道中走っていたので、自分でも冷静に走れていたんだと思います」
会心の白星を振り返ると笑顔がこぼれた。初勝利の裏には、東京支部の心優しい先輩の後押しもあった
「今は戸塚邦好さんに面倒を見てもらっています。デビューの直後から、アドバイザーとして見てもらっていました。アドバイザーっていう制度があるので。もうほとんど師匠みたいな感じなんですけど、ザ・師匠って言うような関係性ではないと思います。水神祭の後も、すぐにおめでとうって連絡をくれました。いつも、めちゃめちゃ優しいです」
レーサーになる前は、一人の女子大学生に過ぎなかった。
「国際系の学部に入っていて、世界の文化とか、英語を勉強していました。でも、就活で何になりたい、何系の仕事がしたい、とかは見つからなくて…」
そんな時、父から教わったのがボートレース。その存在を目の当たりにして、一目で夢中になった。
「もともと体を動かすのが大好きで、バレーボール、ソフトボール、フットサルとスポーツをいろいろしていました。体を動かす系の仕事がいいかもな、と思っていた時にボートを教えてもらって、『レーサーになりたい、なる!』と思って目指しました」
2024年11月22日にデビューしてから、1年半が経過した。
「毎日楽しいです。けど、悔しい気持ちもあって半々です。1回でも多く舟券に絡めるようになりたいです。ファンの方が買って応援してくれているので。ちょっとでも、『応援してて良かったな』と思ってもらえるように頑張りたいです」
そんな石村も、水面を離れれば、ひとりの24歳の女性だ。
「休みの日は、練習に行っているか、家でのんびりしていることが多いです。練習は、行ける時は必ず行っています。休みの日はお姉ちゃんと一緒に出かけることが多いですね。1歳上にお姉ちゃんがいて、2人姉妹です。お買い物をしに行ったり、洋服を買いに行ったり、ランチに行ったりします。お姉ちゃんも、たぶん応援してくれてると思います(笑)」
女子レーサーである以上、最大の目標はクイーンズクライマックス出場。
「今は大きいことはいえないですけど、年末の大きい女子のレースをいつか走ってみたいです」
養成所時代には、独特な目標をかかげたという。
「養成所の修了のパンフレットの目標に“スーパーガール”って書きました。みんな“SG優勝”とか書いてたんですけど、あいみょんさんの曲でスーパーガールって言う曲があって、それをそのまま書きました。私、あいみょんさんが大好きなんです。どの曲も好きで、全部が好きです。何が一番好きな曲とか、そんなのは選べないくらい好きなんです」
お気に入りのアーティストから着想を得た、オリジナリティあふれるテーマだ。ファンが作成した石村の横断幕にも「めざせ スーパーガール」の文字がある。
「横断幕までつくってくれて、本当にありがたい限りです。これからも応援していただけたらうれしいです。いつも応援してくださるファンの方に、舟券で恩返ししたいですね」
◆石村 日奈那(いしむら・ひなな)2001年7月7日生まれ。24歳。東京都出身。東京支部、135期。24年11月22日に多摩川でデビュー、26年1月11日、多摩川で初勝利。155センチ、46キロ。アドバイザーは戸塚邦好。