◆コラム「ボートいろいろ」
今年に入って、久々に胸を躍らされた2人のレーサーを取り上げたい。
1人目は鈴木雄登(20)=愛知・137期=。最近はYouTubeで切り抜き動画が作成されることも多いので、ご存じのファンも多いだろう。
昨年11月にとこなめでデビューし、いきなり水神祭を挙げた上に、すでに5勝をマーク。中でも圧巻だったのが、今月7日の戸田での追い上げ劇。1周1Mを回った段階では先まい押し切ったイン艇に対し、数艇身の距離があったが、道中必死で追って3周2Mでの大逆転は、最近の新人では考えられない角度のターンだった。
記者歴20数年の当方でも、記憶にないレベルの大型新人。YouTubeで池田浩二が言うには、他の若手が誰も話しかけてこない中で、物おじせず池田のところに話を聞きに来たとのこと。そんなメンタルもプロ向きだ。次世代の愛知支部を担う存在に成長して欲しいと切に願っている。
もう1人は川井萌(24)=静岡・127期=。昨年7月のからつで左上腕骨骨折の重傷。長期休養を余儀なくされたが、1月末の浜名湖ヴィーナスシリーズで7か月ぶりに復帰して、いきなりの優出を果たした。
復帰に際して、本人の努力もさることながら、現場にいた記者の間で話題になったのが、そのスター性だ。
初日は金曜日だったが、3日目の日曜日に復帰後の初勝利。休日のこの日、朝から本場は大盛況で、特に川井が走った5RはSG並みの大声援。タオルを掲げて応援していたファンも多く、川井にとっても励みになったとのこと。翌日の月曜日も連勝して、準優1号艇をゲット。難なく逃げて、詰めかけたファンの期待に応えてみせた。
節間を通じ、川井自身は「レース勘はまだまだ」と繰り返していたが、幸か不幸か1Mで決め切った形が多く、競り合いが少なかったのもその一因。この点は次走のスピードクイーンメモリアルにお預けとなったが、スター性は持って生まれたもの。大舞台でさらなる輝きを放つはずだ。(山本 泰正)