◆スカパー!・JLC杯ルーキーシリーズ第23戦(13日・ボートレース江戸川・5日目)
藤田俊祐(23)=東京=は1号艇で人気を集めた準優11Rは、コンマ19のスタートで外の藤原に半艇身ほど遅れるスリット隊形に。一瞬、ヒヤリとしたものの、そこから伸び返して1Mをスピード旋回すると、藤原以下を強力なエンジンパワーで引き離した。引き揚げてくると開口一番に「よかったあー」と安堵(あんど)した。それもそのはず。準優での危機はもちろんだが、この日の前半3R(一般戦)でまさかの転覆。準優を前に大ピンチに陥ったからだ。慌てて整備にとりかかり、その後はバタバタ。不安を抱えたまま迎えた準優だったが「整備士さんがやってくれたおかげで、あまり足落ちはなかった」。部品交換をすることなく、自慢の足もほぼそのまま。「(準優は)アドレナリンが出ましたよ」と気合もプラスして乗り切ってみせた。
今節は予選道中で3連勝し、トップ通過は安泰と思われていたが、4日目前半戦で4着に敗れ竹下に首位を明け渡す結果に。そして転覆と、乱高下の激しいシリーズに「ほんと、良かったり悪かったり、今節は。神様はどっちの味方してるんですかね」と苦笑い。それでも、実力でファイナルのキップをもぎ取り、初優勝を狙う権利を得た。これで9度目の優勝戦進出。足は変わらず節イチ級で、地の利のある地元での優勝戦。念願達成のチャンス。力強く「優勝したいです!」。足も気持ちも最高潮だ。