◆SG第28回チャレンジカップ/G2第12回レディースチャレンジカップ(29日・ボートレース福岡・5日目)
「いやあ~、浩二さん(1コースの池田)をつぶして勝ちたかったよお~。メッチャ悔しいよお~」
茅原悠紀は準優勝戦12Rで2着ゴールした後、喜怒哀楽の豊かな感情を激しくオープンにして先頭フィニッシュを果たせなかったことを悔しがった。
V戦はタフで険しい6号艇に収まるが、思い切り悔しがった後はすぐさま気持ちを瞬間リセットして「エンジンはやり直して全部が良くなったのでね。グランプリには絶対に賞金1位で行きたいので、最後まで頑張りますよ!あっ、人間の方は気持ちも乗る方も絶好調のパ~フェクトっす!」
茅原と会うたびに、岡山の快男児は新しいものに大きな興味を覚え、夢中になり続ける人生を送っている。時にアウトドア活動にたくさんの時間を割き、時に読書に没頭し、とにかく分野を選ばず、様々なものに触れては感性を磨きに磨いている。
「一本の軸はしっかり持ち続けて、いろいろなものを取り入れていく。それが自分のやり方です。そして、今は絵画なんですよ。子どもの頃に読んでいた釣り雑誌の表紙やページに掲載されていた絵が僕はずっと好きでね。最近、その画家さんの個展が開催されたので、ぜひ原画が欲しいなあ、と。そして、調べてみたらこれがケッコ~高いという(苦笑)。でも、こういうのってさ、何かの縁じゃないですか。だから、思い切って買っちゃうことにしました。でも、お金は家庭のものですからね。そんな贅沢には遣っちゃいけません。う~ん、もうここで活躍して買うっきゃないっすね~」
そう話している時の茅原の無垢で純真な表情といったら。もう、まるで少年でした。目をキラッキラに輝かせまくって、声を張り上げて、大きなゼスチャーを交えて、いかに絵画に心奪われているかを訴えかけていた。
これが茅原悠紀という男です。何をやるにしても、自身のすべてのエネルギーを一気に開放して全力で注ぎ込む。邪気の一切なきクリーンでピュアな気持ちで向き合い、懸命に取り組んでいく。
現在、スポーツ報知ボート担当が開設する『X』サイトには、連日に渡って茅原のデーショットをアップしているが、「よ~し、今日はこのポーズで行きましょう!」「じゃあ、これはどうですか?」と自らがアイデアを次々と提案して、豪快に絵を作ってくれる。こんな選手、まあいませんって。やるとなったらとことんやり尽くす。それが彼の流儀です。
その姿勢がファンのハートに響き、ガッツリとつかみ、どんどん支持者を増やし続けている。準決勝戦の水面に登場すると、スタンドからは「カヤハラァ~」とコールが飛びまくった。居並ぶスターたちの誰よりも「行け~カヤハラァ~」と声援を浴し続けていた。
「本当にありがたいっすよね。今年のグランプリは何とか結果を出したいと思い続けて来ましたからね。6コースは難しいですが、じっくりとよ~く考えて狙っていきますよ!絶対に賞金1位で年末に行きたいんで!」
(淡路 哲雄)