◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」
約1600人いるボートレーサーのうち、女子は約280人。現役レーサー夫婦は30組以上いる。最強夫婦といえば生涯獲得賞金8億円超でSG3Vの深谷知博(37)&鎌倉涼(36)だ。
2016年に結婚し、子供は2人。互いに月の半分は家を空けてレースに出場するため、親のサポートを受けながら育児と仕事を両立させている。いわゆる職場結婚で良かった点は「お互い仕事を理解しているので、言葉にしなくても分かり合える」と深谷。「おかげさまで夫婦、家庭円満」と笑顔を見せた。
家庭は共同作業だが、アスリートとしては“個”で戦っている。「おのおのが目標に向かって…という感じ。仕事に関して妻に言うことはないし、言われたこともない。見守るというか、尊重し合うというか」。それぞれのペースで競技に向き合っている。
デビュー当初からセンス抜群だった鎌倉は19年目の今年8月、レディースCでG1初Vを飾った。2度の産休を挟み、けがも乗り越えた。「妻が目標にしていたので。タイトルが欲しい、と昔から口にしているぐらい。簡単ではない。画面越しですが、目の前で見られたことに感動しちゃって。パートナーだからというより、一番身近な人が目標を達成したのが、すごくうれしかった」。同じアスリートとして共感し、思いを巡らせて語ったのだろう。
深谷はボート界No.1を決める「年末のグランプリ、できれば最後の6人(優勝戦)に毎年出続けるのが目標」と言う。最終目標は言わずもがなグランプリV。容易ではない大会出場権獲得を目指し、25日に福岡で開幕するSGチャレンジカップで全力を尽くす。(ボートレース担当・佐々木 伸)
◆佐々木 伸 ささき・しん 2011年入社。趣味はNPB観戦。