◆G1戸田プリムローズ開設69周年記念(17日・ボートレース戸田・最終日)
優勝戦は12Rで、準優戦を突破した6人によって行われた。1号艇、地元・桐生順平(39)=埼玉=が逃げ切り、当地周年3連覇、通算5度目の優勝(SG4回、G1は19回を含めトータル63V)を飾り、優勝賞金1200万円を獲得した。差した山口剛が、2番差しからバックで伸びてきた丸野一樹を2Mで冷静に差し返し、2着に入った。
“桐生の、桐生による、桐生のための6日間だった”と言ったら言い過ぎだろうか。初日の「ウインビードリーム」は山口剛にまくり差されて2着になったが、2日目から3日目にかけて3連勝。予選最後、4日目の前半はよもやの6着を喫したが、後半はまくりで1着。順当に予選を首位通過。準優、優勝戦と危なげなく逃げて、いとも簡単に当地周年3連覇を達成した。
「最高です。メチャメチャ緊張した。展示タイムも悪かったし…。でも、1M、締められずに先に回れれば、とは思ってた」地元戦、V候補の最有力者として責任を果たせた安堵感、レース前の心情を吐露した。これで年末の「グランプリ」で2ndからの発進となる獲得賞金6位以内へ大きく前進した。「まあ、チャレンジ(カップ)次第で順位も変わってくるし、目の前の一走一走をしっかりやるしかないですね。今は、とにかくこれを勝ち、来年のクラシックの権利を取れたことの方が大きい」謙虚に言葉を選びながら話すが、2025年の頂点「グランプリ」奪取に照準を合わせているのは間違いない。
初冬に彩の国・戸田で繰り広げられたボート界のトップレーサーのバトル。夕暮れの水面に「桐生、おめでとう」という声がこだまして、静かに幕を閉じた。