◆ルーキーシリーズ第20戦・スカパー!JLC杯(10日・ボートレース福岡・5日目)
登玉隼百(26)=兵庫=が勝負どころでスタート巧者の本領を発揮した。準優10Rはコンマ04のトップタイミング。「怖々ですけどね」と振り返るが、ここまで取って置いたかのような強烈なスリットで逃走を決めた。
今節はレース巧者の一面もみせたシリーズだ。6枠の6着以外はオール2連対。福岡水面を乗りこなす走りは屈指といえる。「特別乗れる訳ではないけど、自分の乗り方に水面が合うんですかね」。当地はまだ3節目だが、通算勝率は6点オーバー。機力が目立たないだけに、なおさら水面巧者の印象が強い。「第二の故郷」と言う福岡で強い姿を見せている。
前期は勝率を0・70以上も落とすほど低迷。その前の期に0・01差でA1昇級を逃し「気持ちが切れてしまった」と振り返る。ただ、その中でも盛り返してA2キープ。「メンタルですね」と戦う上での大事な要素を再認識した。
今節の快走もメンタルの安定と結び付けたくなる。「近い期の選手ばかりなので、意識すると熱くなってしまう。冷静になるよう心がけています」。後輩へ声をかけ、先輩と話すシーンをみてもリラックスした雰囲気が漂う。そんな精神状態が流れの良さも呼び込んでいるようだ。
3号艇で挑む優勝戦は「強烈ですよ」と足の差を認める1号艇・水谷理人、2号艇・鰐部太空海の好枠両者の存在が大きい。とはいえ、その2人の間隙(かんげき)を真っ先に突ける位置でもある。泰然自若で能力発揮の最善手を打つ。