◆ルーキーシリーズ第20戦・スカパー!JLC杯(6日・ボートレース福岡・初日)
同じ6着でも気持ちは違う。山本幸也(25)=福岡=の今期初戦は初日5R。道中接戦で水面に足を取られて大敗となった。それでも「3着を取りたかった。うねりはないと思って雑になり過ぎました」。
それでも高い事故率を抱え、大外回りの続いた前節までとは異なり、攻めた結果の6着。「久々にレースすると楽しいですね」と悔しさの中にすがすがしさも垣間見えた。
そんな苦境を経験したため、期が変わっても「とにかく50走は無事故で」と切なる願いを漏らす。ただ、レーススタイルの話題になれば態度は一変。「差しはできない。握ることしかできないので」。強気のターンは手放すことのできない武器になる。レース後の自己評価は「まだちょっとびびってます」と厳しかったが、果敢な道中戦は次への期待を抱かせた。
練習の虫であり、慣れ親しんだ練習場でもある。「うねりがあるって周りは言うけど、練習の時と比べたら全然」。いつもに比べて初日の水面はむしろ良好に映ったようだ。練習には師匠の今井貴士にも付き合ってもらい、「スピードは問題ないって言ってもらえました。やっつけることはできなかったですけど」とお墨付きももらっている。
選手を断念した父の思いも受け継いで今がある。その父は「メチャクチャ喜んでくれる」というが、見る側にとっても近況は我慢の日々が続いたはず。知り合いも見に来てくれるというホームプールで全速全開の快走を届けたい。(中村 雅俊)