賞金王を終えて(住之江・賞金王決定戦)

 今年も賞金王が終わりました。個人的には「難しいシリーズだったな」というのが率直な思いです。舟券も予想もリズムに乗りきれませんでした。

インが強いのは分かっていましたが、最終日のラスト3レースで1号艇が1度も3連単に絡まないとは・・・。賞金王決定戦でも記者席で「いい声」を出している人はほとんどいませんでした。2コースからの先まくりを予想した人は少なかったんじゃないでしょうか。

 確かに、レース前のスタート練習では中島選手と石野選手の気配が良好でした。それでもインがあれほど遅れるとは。浜野谷選手は02年の賞金王決定戦でもインで仕掛け遅れて敗れています。一流選手が2度も同じ過ちを犯すとは考えつらいものです。これが、スリット横一戦のスタートならば、負けても納得いくのでしょうが・・・。あくまで個人的な意見です。

 中島選手は勝つとすれば今回の形しかなかったのかもしれません。エース54号機を引きましたが「最後まで思っているほど出し切れなかった」とレース後話していました。浜野谷選手がイン先マイして差した場合、届いてるかは微妙なところです。

 逆に中島選手の先まくりと予想していた人にはおいしい舟券だったと思います。まず1枠は消せます。相手は外。展示気配抜群だった湯川選手も入れて2頭から相手は3、4、5の6点です。岡崎選手はあの展示気配では買えません。

 まあ、舟券のグチはこれくらいにして、今回の賞金王で思ったことを書きたいと思います。

1、日程を考える

今回は最終日に63億円を売り上げ、売り上げ目標の180億円を達成しました。だからこそ予選道中の売り上げが悔やまれます。初日、2日目は土日でした。しかし、まだ決定戦のトライアルは始まっていません。売り上げは20数億円で苦戦しました。トライアルの3回戦、シリーズ戦の準優がある5日目は平日でした。売り上げは30億円に届きませんでした。やはり、5日目、最終日が土日にまたがるほうがよかったのでは?と思います。今年だと競馬の有馬記念とかぶりますが、舟券と馬券はそこまで食い合わないのでは、という気もします。

2、決定戦を考える

今回の決定戦は2つの変更がありました。まずは抽選方法の変更です。従来の1、3、5着同士、2、4、6着同士の抽選から1、3、5着と2、4、6着選手との抽選になりました。これは大きな影響はないと思います。また、今回は発生しませんでしたが、トライアルでフライングはあれば、フライングを犯した選手は11レースの6枠になるというルールもありました。ただ、これには問題があって11レースを走る6号艇以外の選手が圧倒的に有利になります。ほぼ6着がないわけですから。

上記のような点を考えて記者が思うのは次のような決定戦です。まずトライアルは初日から4回戦まで行う。5日目は準優として行う。準優の枠番はトライアルの得点で決める。トライアルの1回戦の枠番は賞金ランク順。2回戦以降は番組が決定する。ただし、賞金ランク1、2位は6枠が回ってこず、11位、12位は1枠が回ってこない。賞金ランク順にモーターを選べるなどの特典があれば、それまでの賞金ランクも生かされると思います。準優の上位3人がファイナルに進出。フライング事故が出た場合、その選手は即日帰郷。賞金ランク13位の選手が繰り上がる。たとえ5日目に繰り上がったとしても準優で一発決めればファイナルに乗れる。つまり最後まで「終わった」選手がいなくなるのです。

利点としては初日から決定戦が行われるため、売り上げが伸びるという予想ができます。また6日間だとエンジンをしっかり仕上げられるという利点もあります。

また、今回からシリーズ戦の優勝戦が最終日11レースで行われ、順位決定戦が10レースで行われました。しかし、賞金総額は順位決定戦の方が上であり、格も上のはずです。1年間の結果で選ばれた上位12人ですから。ただ冷静に見ると1着賞金は1600万円で同じ。シリーズ優勝戦はSGタイトルであり、来年の総理杯の出場権も手にできます。順位決定戦はなにもない・・・。昔はベスト12に残れば来年のSGの優先出走権を得られました。今はファイナルに残った6人だけです。そこで順位決定戦の勝者にも来年のSG優先権を与えてはどうでしょうか。出場選手のモチベーションも上がると思うのですが。

3、発売時間を考える

4日目の12レースはかなり暗い水面で行われました。雨が降り雲がたれ込めていたせいです。ナイター用の照明が利用されることもありませんでした。翌日からは早めに点灯されるようになりましたが、どうせなら初日から点灯したほうがいいと思います。せっかく照明設備があるのですから。そうすれば12レースが17時30分発走だったとしても問題ありません。冬だと17時30分でもナイター気分が味わえるのではないでしょうか。また17時30分発走ならば平日開催でも、仕事帰りの人がライブでレースを見ることができます。舟券を買うファンにとってライブでレースをみることができるかどうかは大きな問題です。また、もし最終日が有馬記念と重なっても、有馬の後にもうひと勝負できるのです。ウインズ梅田からボートピア梅田は徒歩5分くらいの距離です。

4、審議の導入

5日目7レースは後味の悪いレースとなりました。圧倒的な人気をあつめた1号艇井口選手が逃げて本命決着かと思われましたが、2号艇の村田選手が2マーク前で井口選手の後ろに突っかけて井口選手は2マークの内側に突き刺さってしまいました。舟券も大波乱の決着。井口選手が完走したため、村田選手は不良航法の減点を取られただけでした。実際舟券でも3着に絡んでいます。これではファンは納得しないでしょう。競馬、競輪ならばまず審議ランプがつき、村田選手は降着対象になっていると思います。今回も井口選手が転覆かエンストしていれば村田選手は妨害失格になっていたのではないでしょうか。実際、7レース以降の売り上げは予想よりも少し落ちたといいます。審議を採用し、レース後にビデオを見せながら説明すれば、ファンももう少しは納得できると思うのですが・・・

また、カドの選手が絞りまくりで勝った場合、内の選手が転覆すると妨害失格を取られることもあります。これもレース後にビデオを見ながら納得のいく説明が聞きたいと思うのは記者だけでしょうか。

5、まとめ

この不況の中、目標である180億円の売り上げを達成できたのはボートレースが魅力のあるギャンブルであることの証拠だと思います。売り上げ減少が叫ばれていますが、逆にいえばこの時代によくがんばっているという見方もできます。優れたコンテンツだと思うからこそ、記者のつたないアイデアを書いてみました。来年もファンのみなさんに喜んでもらえるような予想、記事を届けられるようにがんばろうと思います。

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