◆素顔のクイーン
米丸乃絵(24)=福岡・128期=の成長が止まらない。5月の浜名湖オールスターでSGデビュー。SG初1着を獲得した。女子レースでは、毎節のように得点率上位争いを演じている。水面での果敢な走りと、陸で見せるにこやかな表情がファンの心をがっちりキャッチ。今後の女子ボート界を担う若きスター候補の、野望と素顔に迫った。
(構成・三池 和輝)
5月SG水神祭
―5月に浜名湖オールスターでSG初参戦。2021年5月15日のデビュー以来初めて、最高峰の舞台に足を踏み入れた。
「ここ最近は、本当にオールスターの印象が強いです。正直、オールスターの印象しかないぐらいです。本当に、すごく行って良かった一節間ですね。SGに出る方が、どれだけうまいのか、どれだけ強いのかが身に染みてわかったので。ただのA1じゃいけない。今のままじゃダメなんだって本当にわかりました。水神祭は本当に楽しくて、面白かったです。ただ、そこからが…。最終日になって振り返った時、『本当に水神祭したのかな?』と思うぐらい負けちゃいました。節間通して活躍しないとですね」
―SG初勝利よりも、節間1勝に終わった悔しさの方が上回っている様子だ。しかし、地力がついていることは間違いない。26年前期適用勝率は6・61。26年後期は6・68と、堂々のA1級キープ。
「インコースは逃げられるようになってきました。3、5コースも好き。奇数コース、握るコースが好きです。逆に差しコースはそんなに…。2コースは好きですけど、4コースと6コースは苦手です。2コースが好きなのは、1対1だからですかね。インの人と自分だけ、みたいなイメージ。対戦相手が少ないところが合っているのかもしれません」
スポーツ大好き
―課題は挙がるものの、レースで見せる果敢なフルターンは見事のひと言だ。その類いまれな運動神経は、幼少期からのスポーツ経験で養われた。
「もともと、新体操をしていました。幼稚園から中学3年までです。スポーツを見るのは好き。私の高校が、熊本の大津高校で、すごくサッカーが有名なんです。全校応援にも行きましたし、サッカーを見るのは好きです。あとは野球も、2回ぐらい福岡ドームに見に行きました。バスケとか、バレーとか、何でも見るのは好きです」
―目を輝かせながら、スポーツの魅力を語ってくれた。そんな米丸の師匠は福岡支部の先輩、永田啓二。永田は、決して多くを語ることはなく、黙々と目の前の仕事に没頭するタイプだ。
「永田さんは、すごくはっきりものを言ってくれます。今思えば当たり前なんですけど、『練習は休むな』とか、『追加は全部受けろ』とか、そういうことを言ってくれたのが今にいきています。ターンも、良くないターンだと『ダサい』って言われます。逆に『悪ないんやない』って言われた時は“いい時”だと思います。永田さんの、はっきり教えてくれるところが自分に合っています」
―頼れる師匠の存在には感謝しきり。レースではアグレッシブな勝負師に変化する米丸。だが、水面を離れれば一人の女性だ。
「最近はグランピングが好き。奥村明日香選手、中尾優香選手、池田奈津美選手、野田なづき選手とかとよく行きます。自然が好きなんです。熊本に帰ったときも、阿蘇とか、自然の多いところによく行ってます。あとは食べるのが本当に好き。一番好きなのは、何だろう、お寿司かな。海鮮が大好きです。苦手なのはしいたけ。しいたけ以外はだいたい好きです」
1号艇3度V逸
―プライベートも充実し、水面でも堂々とした立ち振る舞いを見せている。通算では、優勝戦1号艇を3度経験。しかし、その全てでイン逃げは叶わなかった。悔しすぎる、三度の優勝戦惜敗。
「目標は初優勝。G2、G1とか、SGとか、大きい大会に出ると、まだ優勝できていないことが恥ずかしいんです。1号艇でも、何号艇でもいい。とにかく優勝したいです。それが一番です」
―念願の初Vへ、秘めた思いはつのるばかり。
「タオルを持って応援してくれると本当にうれしいし、『ヨシ、頑張ろう』と思えます。自分を応援してくれる人がこんなにいることが、今でもすごく不思議なんですよ。そういう人たちの応援に応えられるように一生懸命頑張るので、これからもよろしくお願いします。呼び名ですか? のえちゃん、がいいです」
―さらに大きなテーマとして、クイーンズクライマックス(QC)出場、さらにはQC優勝がある。
「ティアラにはめちゃめちゃ憧れがあります。強い先輩たちが、ティアラを被る姿をずっと見てきたので。いつかティアラを被るためにも、これからも頑張っていきます!」
◆米丸 乃絵(よねまる・のえ)2001年8月5日生まれ、24歳。熊本県出身。福岡支部、128期。2021年5月15日に若松でデビュー。同年12月9日、児島で初勝利。26年5月の浜名湖オールスターでSG初出場。通算14優出。158センチ、47キロ。師匠は永田啓二。