恩返しの走りを決意した中山は笑顔でガッツポーズ
恩返しの走りを決意した中山は笑顔でガッツポーズ

◆推しメン新鮮力

 昨年9月、ヤングダービーでG1初出場、初優出したのが中山翔太(22)=三重=だ。当時はまだ優勝0回のA2級だった。昨年末の初V以降、3回の優勝を重ね、今年A1級に昇格した。一方で胸の内にくすぶる自分自身に対するもどかしさ。目標を見失いそうになりながらも、周囲の支えを励みに、再び力強く走り出す決意を固めた。

(構成・上村 尚也)

 ―プレミアムG1「第13回ヤングダービー」(9月22~27日、若松)の出場選手が決定しました。中山選手は33位での選出。G1初出場で優出した舞台に再び立つことができて、どう受け止めていますか。

 「ヤングダービーは、乗って当然という感じ。特に、ここを意識していたというのはなかったです」

 ―もっと上の目的意識があったということですね。レース取材の際に話してくれた『これでレースをしろと言われればできるんですけど、これでは優勝できない』との言葉がすごく印象に残っています。

 「そこ(優勝)は当然、誰もが意識していると思います。それは(養成所時代の)最初から思っていたこと。選手を目指している人は、皆そんな気持ちを持っていると思います」

 ―ボートレーサーとしてぶれない心を感じます。2月の東海地区選手権(とこなめ)では師匠の松井洪弥選手と初めてG1を一緒に走りました。何か得られるものはありましたか。

 「師匠にはめちゃくちゃ感謝しています。師匠とG1に乗ることは初期の目標ではあったので、うれしいのはうれしいのですけど、目指すのはそこではない。新田(雄史)さんとか、井口(佳典)さん、豊田(健士郎)さんとかに付いていけるように、とは思っています」

 ―昨年のヤングダービーはA2級での出場。今回はA1レーサーとして出場します。優勝も昨年末の初優勝(芦屋)から地元の津、三国と3回を数えます。それでも納得できない?

 「僕はすぐに落ち込むんです。いい風に考えられない。ダメな風にダメな風に考えてしまうからだと思います。上の人たちを見て、落ち込まないことが大事と分かっているんですけどね。井口さんも、フライングした後とかでもペラを叩きにいったり、色々とやっているんで。そういう人間性というか、そうなれるようにと思っています。井口さんはメリハリがすごい。スタートも行くと決めたら行く。自分はその足元にも及んでいないですね」

 ―養成所には在学中の高校を中退して入所。三重支部のトップレーサーの存在は、いつ頃から意識していましたか? 

 「小さい時から父に連れられて津ボートに行ってました。特に、井口さんとか新田さんが一緒に走っている地元戦ですね。活躍していたのを覚えています。優勝戦は井口さん、新田さんが1号艇、2号艇のどっちかだったので、めっちゃ覚えています。幼稚園の頃から見ていて、毎回この2人が優勝戦なんで、すごいな、強いなって、思っていました」

 ―井口選手はSG6V、新田選手はSG3V。この2人に肩を並べる強豪になることがやはり唯一無二の目標。でも一足飛びにそこへはたどり着けない。

 「ちょっと前までは、明確な目標、A1であるとか、初優勝するとか、そういう目標があって、そこまで頑張ってきました。ただ、最近はそういうのがなくなってきて…。今、SGを優勝したいとか言うのは簡単なんですけど、自分でしっくりこないというか、自分の手が届くところの最大限が見つかっていない。ヤングダービーは当然優勝したいし、優勝したらクラシックにも出られるんで、当然優勝したいんですけど」

 ―短期の目標を見失っている感じなのかな…。でも、地元・津でG3イースタンヤング(18日初日)がありますし、9月には地元周年記念(G1ツッキー王座決定戦)のあっせんも決まってますよ!

 「そういうのは、自分にとって一番でかい。施行者の皆さんには、自分が出てきてすぐくらいの時から何かとお世話になっているし、最近では地元のドリームとかに選んでもらっている。やっぱりその恩返しをするんやったら、地元の周年で準優、優勝戦に乗っていくのが一番。今、記者さんと話していて、そう思いました。これなんかな~って!」

 ―それですね! 目標は恩返し。お世話になっている人、応援してくれるファンのために走ってください。その結果、新たな次の目標が見えてくるはず。

 「分かりました! イースタンヤングの後がF休みなので、その期間にしっかりとリフレッシュして気持ちを整えて、9月のG1(地元周年記念とヤングダービー)に臨みたいと思います」

 ◆中山 翔太(なかやま・しょうた)2004年1月24日、三重県出身。22歳。三重支部130期生として22年5月に地元・津で初出走。同年6月に桐生で初白星を挙げ、24年3月に浜名湖で初優出。25年12月に芦屋で初優勝。G1は25年のヤングダービーで初出場し優出(転覆)。26年後期適用勝率はキャリアハイの7・09。趣味は「最近、全然何もないです…。お金を使うところがあればいいんですけど、クルマとか、ゴルフの道具とか(笑)」。169センチ、52キロ。血液型O。