弓道ポーズの有山望。最終目標の的はグランプリ制覇だ(カメラ・上村 尚也)
弓道ポーズの有山望。最終目標の的はグランプリ制覇だ(カメラ・上村 尚也)

◆推しメン新鮮力

 ボートレーサーは、テレビCM「マチダ教官物語」にあるように“ゼロからプロへ”が主流だ。高校時代は弓道に打ち込んだ有山望も、テレビCMで知って志した一人。ゼロからのスタートだからこその着実な進歩、その後のよくある停滞を、師匠の“リベンジシーン”に刺激を受けながら乗り越え、成長の時を迎えた。初のイン1着も果たした大阪支部の新鋭は将来“3つの的”をすべて撃ち抜くつもりだ。(構成・上村 尚也)

大阪支部の先輩・河野主樹(右)のアドバイスに耳を傾ける有山
大阪支部の先輩・河野主樹(右)のアドバイスに耳を傾ける有山

 ―4月の期末ラストの2節は活躍が見事でした。戸田で3勝目を挙げると、4日間シリーズのびわこは2日目から4戦連続の舟券絡み。最終日の前半レースは1号艇で見事イン逃げでした。初めてのイン戦でしかも07のトップSでした。

 「3勝目を挙げるまで6か月もかかってしまいました。良くない結果が続くと、やっぱり気持ちが後ろ向きになって…。でも逆にいい着順を取れたら、またいけるとなりますよね」

 ―昨年7月の児島でデビュー初勝利。2勝目は10月のまるがめでした。3勝目まで時間を要しましたが、びわこでは一転、好レースの連発。そのびわこは、大阪支部からは河野主樹選手と2人だけでした。河野選手の身ぶり手ぶりの指導が印象的でした。

 「初日は7Rで河野さんが、8Rで自分が4号艇だったんです。それで『4コースの走り方のお手本を見せてください』とお願いしました。その後のレースでも教えていただいたことが成績に結びついたことは、うれしかったです」

 ―水面以外でボートレースのために取り組んでいることはありますか。

 「体感トレーニングです。インナーマッスルを鍛える系ですね。あと、仕事からは離れるんですけどダーツにはまっています」

 ―腕前はプロ級?

 「そんなことはないですけど、3つ上の兄は、プロではないけど試合には出たりしていて、その兄に誘われてやってみるとハマりました。もともと自分は弓道をやっていたんで…」

 ―ダーツも弓道も的を撃ち抜く競技ですね。

 「どちらも同じ動作の繰り返しですね。特に弓道は“型”が大事。そして集中力が必要です。ダーツと弓道は似ているところがある。ボートレースも気持ちが大事なんで、経験が役に立っている面はあると思います」

 ―弓道は部活動でやっていたのですか。

 「奈良国際高校で始めました。新設された高校で僕は弓道部の一期生になるんですけど、2つの高校が合併してできた高校だったので、先輩はいました。3年間、部活動には結構しっかり取り組んだと思います」

 ―弓道とボートレーサー。普段の生活では決して交わらないと思うのですが、きっかけは。

 「テレビCMです。渡辺直美さんのダイナマイト・ボートレースです。それで、高校3年の始めには勉強を始めました。卒業と同時に養成所に入所するタイミングで受験したんですけど、3次試験までいったのに落ちて…。その次で合格できたんですけど、卒業して1年間は牛丼チェーン店でバイトをしていました」

 ―1年間、不安はなかったですか。

 「楽しくやっていました。今思えば、社会経験をしてからボートレーサーになれたことも、よかったと感じています」

 ―今後の抱負を。

 「一番近い目標は予選突破です。そして将来の目標はグランプリです。真ん中の目標もあるので加えていいですか」

 ―もちろん!

 「師匠は秦英悟さん。秦さんとは自分のデビュー2節目(24年12月)のびわこで一緒のあっせんでした。その時の秦さんは、準優勝戦で2着でしたが、そのレースで賞典除外になって優勝戦に乗れませんでした。自分は近くで見ていて、その悔しさが分かりました。でも、秦さんは、その次に出場した同じびわこ(25年6月)で優勝されたんですよ! そんな秦さんと一緒に記念を走ること。それが、ぜひとも達成したい真ん中の目標です」

 ◆有山 望(ありやま・のぞむ)2004年9月24日、奈良県出身。大阪支部所属の21歳。24年11月に135期生として地元・住之江で初出走。25年7月27日の児島・一般戦でコンマ02のトップスタートを決めての4カドまくりでデビュー初白星、水神祭。同じ大阪支部の先輩・河野も「彼は旋回がしっかりしている。走るコースを覚えたら、いい成績が取れると思っていました」と認める好センスの持ち主。160センチ、51キロ。血液型A。