◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」
ボートレースは2025年度の売り上げは2兆6658億3216万4300円となり、5年連続で過去最高を更新した。売り上げ増に多大な貢献をしているのは、約300人いる女子選手のみが出場できる「女子レース」だ。女子は選手数が少ない分、個々の特徴が把握しやすく、大きな実力差も相まって舟券が買いやすい。一部はアイドル化しており、いわゆる推し活で選手の成長を見守りつつ、舟券で応援してくれるファンがついた。
2000年頃は女子選手自体の人気がなかった。かつてはフライング返還などの事故が多く、技量も未熟。施行者、ファンから敬遠されていたとも聞くが、女子レースの移ろいを見てきた現役レジェンドの寺田千恵(57)に話を聞くと、選手目線で「15年―、10年以上は前」から現在の好況を予見していたという。
「若い子たちはレースが終わった後も最後まで練習で試運転をしている。訳も分からずに乗っていて燃料の無駄遣いかもしれないけど、欲を出してやっている。一生懸命やっている人って応援したいじゃないですか。それが伝わると思っていた。絶対に売れる。売れないわけがないって」。若手が必死で練習すれば負けじと中堅も―。女子レース全体の空気の変化に、寺田は光明を見いだしていた。
事実、今の女子レースを取材していると、出番が終わっても練習、整備や調整に汗を流している選手がほとんど。一見、キラキラ輝いて映る女子だが、上を目指してギラギラ、泥臭く努力をしている。女子不遇の時代を知る寺田は、娘世代の頑張りを見て「これが続けば」と目を細めていた。(ボートレース担当・佐々木 伸)
◆佐々木 伸(ささき・しん) 2011年入社。ボートレース担当。趣味はNPB観戦。