10月の戸田一般戦では自身2度目の連勝を飾るなど成長著しい松田
10月の戸田一般戦では自身2度目の連勝を飾るなど成長著しい松田

 明るい性格で誰からも愛される、笑顔が印象的な松田真実(24)=愛知・131期、B1級=。元ボートレーサーで祖父の爾見(しかみ)照雄さんの影響でボートの世界へと飛び込んできた。「レーサーの中で一番練習しているかもしれない」と自負するほど、昼はとこなめ、夜は蒲郡と地元プールで猛練習を重ね、2025年後期適用勝率は自身初の3点台と急成長中。目標は「A級に上がること」とキッパリ。そんな彼女のプライベートの素顔にも迫った。

 ―祖父の爾見さん(愛知5期)はボートレーサーでした。

 「レーサーになったのも祖父の影響がかなり大きいですね。祖父の家で遊ぶ時は、ボートレーサーがカードになっているトランプをやったり、一日中、ボート中継の映像が流れていましたよ」

 ―ボートが生活の一部だった。

 「そうですね。身近にボートと触れ合う環境があり、レーサーを目指す道ができていた。高校を卒業してからは看護の専門学校に行きましたが、どうしてもレーサーの夢が諦めきれなくて。中途半端な気持ちで看護の仕事をやるのも嫌だった。そんな流れで養成所の試験を受けて1回で合格。タイミングとかも含めて、色々と良かったと思う」

 ―小さい頃は何のスポーツをやっていたのですか。

 「フィギュアスケートや水泳、バスケ、ダンス、クラシックバレーなど色々とやりました。運動神経は、そこそこ良いのかな(笑)」

 ―大須賀友選手に弟子入りした理由は。

 「同じ愛知支部の大須賀選手に会った瞬間、なんですかね、ビビビッていうのが来て、絶対にこの人が師匠だなって感覚で思った」

 ―運命的な出会いですね。どんなアドバイスを受けましたか。

 「今節(10月の戸田一般戦)、ここに来る前に、実は説教を受けたんですよ」

 ―説教?

 「そうです。最近のレースを見ていても、全く面白くないって…。勢いがまるでないよって言われた。確かに事故点を増やさないように、最近は守りのレースをしていた自分がいたかな」

 ―説教後のシリーズで自身2度目の連勝を飾るなど効果があった。

 「まさにそうなんですよ。師匠の言葉で、強くなる、上手くなるレースをして来いっていうアドバイスが、グサッと心に刺さった」

 ―良い師匠ですね。勝率も2025年後期適用勝率は自身初の3点台に。

 「レースを徐々に覚えてきたことが大きい。そして結果につながっている。握って攻めるレースを、これからもたくさんしたい」

 ―練習量は多いと聞きましたが。

 「レースが休みの日はとにかく練習をしている。とこなめで昼間に練習して、終わったらそのまま蒲郡に行ってナイター練習。レーサーの中で、一番練習しているかもしれないですね」

 ―昨年9月のとこなめヴィーナスシリーズで初勝利。どんな気持ちでした?

 「めちゃくちゃ緊張したけど、とにかくうれしかった。同期の中で水神祭が一番最後だったので」

 ―目標は?

 「来年のスピードクイーンメモリアル(鳴門)に絶対に出場したい。常に1着を目標にレースをして、A級に上がりたいですね」

 ―オフの日の過ごし方は。

 「最近は家で黙々とガラスアートをやっている時が多いかな。宿舎でもずっとやっているかもしれない」

 ―最後にボートレースの一番の魅力を。

 「男子も女子も一緒に戦える競技。何が起こるか分からないところも、魅力の一つかもしれないですね」

 ◆松田 真実(まつだ・まみ)2001年8月19日生まれ、24歳。愛知県出身。131期として22年11月に蒲郡でデビュー。昨年9月のとこなめヴィーナスシリーズ2日目1Rでインから逃げて通算208走目で念願の初勝利を飾った。特技はフィギュアスケート。好きな言葉は「勇往邁進」。好きな食べ物は焼き肉、すし、バナナなど。155センチ、48キロ。血液型A。