“3連逃”で優勝して、「BBCトーナメント」のエントリーフラッグを掲げる吉村
“3連逃”で優勝して、「BBCトーナメント」のエントリーフラッグを掲げる吉村

◆ファン感謝3Daysボートレースバトルトーナメント(13日・ボートレース三国・最終日)

 ファイナルが第12Rで争われた。1号艇の吉村誠(36)=静岡=が逃げ切って、2024年1月の蒲郡以来、通算6度目の優勝を果たし、V賞金163万円と副賞の金100グラムを獲得した。また、来年1月に尼崎で行われるプレミアムG1「ボートレースバトルチャンピオントーナメント」の優先出場権を手にした。2着は中島孝平、3着には西橋奈未の地元・福井勢が入った。

 北陸の女神が幸運を与えた吉村が、導かれるように頂点へ上り詰めた。枠番抽選で3走連続で1枠を引き、3走すべて逃げ切った。

 最終日は強風で1Rから安定板を使用し、4Rからファイナルまで、展示1周、本番2周で行われた。展示の進入は16243/5の5対1。「松田さん、聞いてないよ~」と動揺して1周多く周回展示してしまい、「迷惑をかけました」と再展示に。それでも「菊地さんに深い所もやっておけよって言われてて、深い所をやってて良かった。展示後にみんな笑ってて、重成さんに、これで地に足ついただろって言われて落ち着きました」。本番の進入は123/645で、スタートは動揺することなく、インから押し切って優勝をつかみ取った。

 トーナメント、セミファイナル、ファイナルと全て1号艇をゲットする幸運もあったが、「朝乗った時は全然しっくりきてなくて、同期(105期)の中嶋健一郎君が試運転をつきあってくれて、最後には同期の菅章哉君が思い切って行けって背中を押してくれた。全部の足が良かったです」と、運と同期の絆に感謝していた。

 この優勝で、来年1月に尼崎で行われるプレミアムG1ボートレースバトルチャンピオントーナメント(BBCT)の優先出場権を獲得した。「尼崎は優勝(23年12月)もさせてもらってるので好きです。菊地さんが、勝ったら(BBCTで)いい順位で行けるぞって、お客さんじゃないからなって、言ってくれたので本気で取りたいと思いました。それに、今はけがで走れなくなっている(弟子の)川井萌が帰って来る前に、自分がしっかりA1になって迎えたいと思ってます。向こうは先にSGカッパを着ちゃったんで、負けられないです」。年明けからのA1復帰を果たして、もう一段階上のステージに向かっていく。