
◆G1ウェイキーカップ開設71周年記念(30日・ボートレース多摩川・2日目)
9月のG1開設71周年記念トーキョー・ベイ・カップ(平和島)だった。
地元の腕達者、斉藤仁(48)=東京・83期=は日々ていねいにエンジンをいたわり、あやして、何とか状態を整えてV戦出場を叶えた。
決戦は1コースから茅原悠紀が盤石の逃げを決めて快勝したが、2着には5コースから粘り強く奮闘した斉藤が続いた。
優勝にこそ手は届かなかったが、十分に健闘して食らいついた内容濃い銀メダルだった。
激闘を終えて、レース場を去ろうとした時、地元代表として存在感を見せた斉藤に関係者がねぎらいを込めて「斉藤、おめでとう。よく頑張ったね」と声を掛けた。
その言葉を聞いた彼はちょっとお茶目に口をとがらせて、「2着じゃあおめでとうじゃないですって~。だって、僕は優勝を狙っていたんですから~」と返した。そして、すぐさま「いえいえ、応援いただきありがとうございました~。もう、本当に2着で十分でした。今節は自分でも結構頑張れたと思います。何とか見せ場を作ることができてよかったです」と笑顔を浮かべながら頭を下げていた。
あれから1か月余り。今度は戦場をベイサイドから多摩川へ移し、ここまでいい感じで初日、2日目を過ごし、今度こそ本当にG1タイトル制覇を成就させるべく、意欲をたぎらせている。
「はははっ。覚えていますよ。平和島ではそんなことがありましたね。いつもよくしてくれる関係者なので、ちょっとおどけた反応をしちゃいました(笑)。今回はここまですごくいい感じで来ています。2日目もあんなに伸びてくれるなんてね。エンジンは数字よりも動いてくれています。初日よりもターンの感じも良かったです。はい、今のところ確実に上積みができています!」
斉藤はコース上でもバックヤードでも、きっちり、しっとり身だしなみが整っている。常に平常心で落ち着き払い、成熟したアダルティな紳士のイメージしかない。
「いやあ、それは褒めすぎですって(苦笑)。でも、そう思って頂けるのはすごく光栄です。後輩のいい手本になっている?いやあ、それはどうでしょうか。東京支部には手本になる存在が大勢いますからね。長田(頼宗)君なんて、彼は本当のリーダーですもんね。今回も地元G1だし、みんなで活躍して盛り上げていきたいですね!」
さあ、今度こそ誰よりも先にゴール線をトップ通過して、本当の意味で「おめでとう!」の言葉を浴してください、トーキョージェントルマン。
「はい!そんなに甘くはないことはよ~く分かっていますが、足の感じは十分に上位だと思っていますし、周りからも“いいね!”と言われていますよ。今後はまだ外枠も残っていますし、しっかりやっていきますよ!」