
◆G1ウェイキーカップ開設71周年記念(29日・ボートレース多摩川・初日)
初日のドリーム戦番組をじっと見つめた茅原悠紀は、えらく感慨深い面持ちだった。
「いやあ、最初は施行の方が組んでくれたのかなあって思っていたんですが、さっきファンのみなさんの投票で1号艇を与えてくれたことを知って。まさか、このすごいメンバーが大勢集まった大会で、自分をファン投票1位に選んでいただくなんて、マジで光栄なことだし、メッチャうれしいっすよ!だって、あの峰さんより得票が多かったんでしょ。1号艇の峰さんを負かすことより、こっちの方が難易度が高いかも?そうそう!本当にその通りっすよね!あり得ないっすって(笑)」
そして、今度は語気に熱を込めまくって宣言した。「だからこそ、その期待に応えたいんですよね!くじ運に見放されていいエンジンは引けませんでしたが、そこはもう何とかしないとですよね!」
迎えた本番。ファンのでっかい期待と夢を背負いに背負って、危なげなく大役を果たして逃げ切った。「いやあ、エンジンの数字はないんですが、これ全然悪くないかも。ターンを回ってから出て行くし、数字を知らなかったら、普通にいいエンジンだと思えるぐらいでした。ぜ~んぜん不満はないっすよ!」
開幕前の開会式には多数の熱心なファンが早朝からレース場内のステージに詰めかけて、推しレーサーたちに思い思いの声援を投げかけていた。
篠崎元志、上條暢嵩、そして永井彪也らがファンの前に登場すると、特に女子ファンたちから「かっこいい~」「こっち向いて~」「ノブ~」と甘い嬌声が飛び交った。
そして、いよいよ栄えあるファン投票1位男がステージにさっそうと出ていくと、今度は男性ファンを中心に「カヤハラァ~~」「頼んだぞぉ~~」と一転して、野太い声の激励が響き渡った。
「はははっ、マジでそうでしたねえ(苦笑)。でも、自分はそっち系がうれしいっす!みんなが僕の券を買って応援してくれるのが、もう最高っすよね」
レースパフォーマンスにも、インタビュートークにも、その立ち振る舞いにも茅原の言動には華がある。熱がある。力がある。だから、大勢の人々の心は動く。自身の魅力がファンのハートにどんどんインストールされていく。まさにこれぞ、千両役者です。いつでも、とにかく明るい茅原です。安心してください、(スタートも差しも)入ってますよ!(淡路 哲雄)